『記』開化系譜にみえる人物が複数、『記』『紀』垂仁段のホムツワケ（ホムチワケ）伝承に登場するという相関性がみられます。
開化天皇の子の日子坐王と春日建国勝戸売女沙本之大闇見戸売の子として、沙本毘売と沙本毘古がみえますが、沙本毘古と垂仁天皇のあいだに生まれたのがホムチワケです。
沙本毘売が謀反を起こした沙本毘古とともに亡くなると、比婆須比売が垂仁天皇の后となります。
比婆須比売は、日子坐王と近淡海御上祝が以ちいつく天之御影神女息長水依比売の子である丹波比古多々須美知能宇斯王と丹波之河上之摩須郎女のあいだに生まれました。
また、ホムチワケは、曙立王と菟上王に連れられて出雲に行きますが、曙立王・菟上王は、日子坐王と山代之荏名津比売（亦の名刈幡戸弁）のあいだに生まれた大俣王の子です。
『記』日子坐（ひこいます）系譜と『記』『紀』垂仁段のホムツワケ（ホムチワケ）伝承は、「旧辞」の段階で一体性をもつものであった可能性があります。（→ 「建国神話」の主人公は誰なのか）
