素戔鳴・五十猛– category –
『記』『紀』の三貴子の分治に、伊弉諾が素戔鳴に「海原を知らせ」「滄海之原を御すべし」と命じる記述がみえます。素戔鳴と「海」の結びつきは、素戔鳴の子、五十猛によって媒介されることを、紀伊国の伊太祁曾神社と播磨国の射楯兵主神社の周辺から探ります。
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「私部」の地名とスサノヲ
『紀』敏達紀6年2月条に、「日祀部・私部を置く」とみえます。 「私部(きさいちべ)」は、后妃のための部とされます。(岸俊男「光明立后の史的意義ー古代における皇后の地位−」(『日本古代政治史研究』1966年)) 『和名抄』丹波国何鹿郡・因幡国八上郡... -
播磨国飾磨郡の射楯兵主神社
『延喜式』神名帳の播磨国餝磨郡にみえる射楯兵主神社は、姫路城の南、姫路市総社本町に鎮座し、射楯大神・兵主大神の2神を祭神とします。 『播陽万宝智恵袋』(宝暦10年(1760)成立)所引「府中社略記」に、兵主神(大己貴命)は、延暦6年(787)に西方... -
紀伊国在田郡と出雲国飯石郡の須佐
スサノヲ(須佐之男)の名は、「須佐」の地名と不可分であり、『和名抄』の紀伊国在田郡と出雲国飯石郡にみえる須佐郷との関係が窺われます。 紀伊国在田郡の須佐郷は、有田川南岸の河口近くに鎮座する式内社、須佐神社(和歌山県有田市千田)の辺りに比定... -
紀伊国名草郡の伊太祁曾神社
『延喜式』神名帳の紀伊国名草郡にみえる伊太祁曾神社は、和歌山市伊太祁曾に鎮座し、五十猛・大屋津姫・枛津姫の3神を祭神とします。 『紀』神代紀第8段に、伊太祁曾3神について次のような記述がみえます。 初め五十猛神、天降ります時に、多に樹種を将ち... -
播磨国宍粟郡の伊和坐大名持御魂神社
播磨国一宮として知られる、伊和神社(兵庫県宍粟市一宮町須行名)は、『延喜式』神名帳の播磨国宍粟郡に「伊和坐大名持御魂神社」と記され、大名持御魂神(大己貴神)を祭神とします。 「伊和の大神」の伝承は、『播磨国風土記』の宍禾・揖保・餝磨・神崎...
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