角凝・掃守– category –
『記』『紀』垂仁段および『記』応神段にみえる、ホムツワケ、天日矛、倭大国魂神の3つの伝承の相互関連性を探ります。
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掃守と倭文・大国魂・ホムツワケ
各地に残る「掃守」「加守」「神守」という地名の土地は、掃守連の拠点とされますが、『記』『紀』垂仁段伝承の構成要素と重複する特徴が認められます。 a奈良県葛城市加守大和国葛下郡b兵庫県南あわじ市榎列掃守淡路国三原郡倭文郷c三重県松阪市神守町伊... -
彦波瀲武鸕鷀草葺不合と掃守
『紀』神代紀10段に、彦波瀲武鸕鷀草葺不合についての記述がみえます。 彦火火出見の子で神武天皇の父にあたります。 「彦波瀲武鸕鷀草葺不合」の名の由来について、『紀』神代紀10段一書第1に次のように記されます。 児の名を彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊と称... -
綺戸辺(かにはたとべ)
『紀』垂仁紀34年3月条に、垂仁天皇と綺戸辺の話がみえます。 山背に出かけた垂仁天皇は、綺戸辺(カニハタトベ)という美女の噂を聞いて、ウケヒすると、河のなかから大亀が現れ矛で刺すと石になるという奇瑞が現れ、綺戸辺を妃とすることができました。 ... -
山城国相楽郡蟹幡郷の蟹満寺
京都府木津川市山城町綺田の蟹満寺は、「綺幡寺」「蟹幡寺」「加波多寺」「蟹満多寺」とも表記され、『今昔物語集』『元亨釈書』『古今著聞集』などにみえる「蟹の恩返し伝承」で知られます。 『今昔物語集』巻16-16「山城の国の女人観音の助けに依りて蛇... -
南山城の蟹の伝承と掃守
『日本霊異記』に、山城国紀伊郡の蟹の恩返しの話がみえます。 山城国紀伊郡の娘は、村人に捕まった蟹を助けました。そのあと、田んぼで蛇に襲われた蛙を助けるため、妻となる約束をしてしまい、紀伊郡の深長寺に滞在していた行基に助けを求めました。7日... -
兵主神社と掃守・卜部・日矛
『延喜式』神名帳に、次のように、兵主神社19社がみえます。 大和国2社城上郡穴師坐兵主神社(名神大)穴師大兵主神社和泉国1社和泉郡兵主神社三河国1社賀茂郡兵主神社近江国2社野洲郡兵主神社(名神大)伊香郡兵主神社丹波国1社氷上郡兵主神社但馬国... -
淡路国三原郡の大和大国魂神社
大和大国魂神社は、兵庫県南あわじ市榎列上幡多、成相川右岸の山所地区に鎮座し、『延喜式』神名帳において、淡路国三原郡の名神大社とされます。 祭神である大和大国魂神は、『紀』崇神紀・垂仁紀にみえる、倭直祖市磯長尾市を祭祀者とする大和大国魂神と... -
葛木倭文坐天羽雷命神社
『延喜式』神名帳の大和国葛下郡の筆頭に、葛木倭文坐天羽雷命神社がみえます。 天羽雷(あめのはづち)命は、『紀』神代紀第9段本文の国譲り神話の異伝に、倭文神建葉槌(しどりがみたけはつち)とみえる、倭文連の奉祭神です。(→ 天香香背男をめぐる国... -
天湯河板挙の「湯」
『紀』垂仁紀に、「鳥取造の祖天湯河板挙」がホムツワケのために出雲で鵠を捕らえた話がみえます。 垂仁紀23年10月条に「鳥取造の祖天湯河板挙」「湯河板挙」、23年11月条に「湯河板挙」、『姓氏録』には、「天湯河板挙」「天湯河桁」「天湯川田奈」と記さ... -
「藺生」という地名について
「藺生(いう)」という地名が、奈良県奈良市藺生町、滋賀県高島市今津町藺生の2カ所にみえます。 奈良県の「藺生」は、都祁盆地の西部に位置し、初瀬川の発源地として知られます。 往古、藺生の西並松にあった「曾我尾池」は、初瀬川の発源地であり、初瀬...
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