国譲り神話のタケミカヅチ・フツヌシ

高天原の神、タカミムスヒの命令により、フツヌシとタケミカヅチが出雲に降下して、大己貴神に国譲りをさせたことが、『紀』神代紀第9段本文にみえます。

『紀』神代紀第9段の異伝(一書第1・一書第2)では、指令神が、天照大神(一書第1)、天神(一書第2)とあって、本文とは異なりますが、タケミカヅチ・フツヌシの2神が、大己貴神に国譲りさせる話は共通します。

『記』では、思金神らの命令で、タケミカヅチとアメノトリフネが出雲に降下して、大国主神に国譲りをさせたとあります。

タケミカヅチは、浜に、剣を逆さに突き立てる行動を執り(『紀』本文・『記』)、大己貴神から、平定に使用した広矛を譲り受ける(『紀』本文)など、剣に関わる描写がみられます。

降下した土地について、出雲国五十田狭小汀(『紀』本文・一書第2)、出雲国伊耶佐小浜(『記』)と書かれ、出雲大社より西へ1kmの海岸、稲佐浜を指します。

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